昔 太陽が地球の周りを廻っていた
樹は繁り 牛は草を食(は)み
犬は牛を追って野を走った
ある日 太陽はあることに怒り
遠いところへ去って行った
樹は 氷になっていた
牛を食べようとした犬は
氷の化石になってしまった
今日 太陽が帰って来た
生き返り始めた 赤い犬は
喜びのあまり太陽が五つにも六つにも見えた
もうあんなバカなことをする
二本足の獣は滅んでしまった
太陽は去っていくことは
決してもうないと犬は思った
雪が柔らかく解け始めた
樹は 僅かに緑色に染まり始めた
明日 陽々は廻(かえ)って来るだろう
童鬼